「不動産国際市場の影響について知りたい。」
「COVID-19は、不動産国際市場の影響にどの様に影響した？」
本記事では、不動産国際市場の影響や、COVID-19が不動産国際市場の影響にどの様に影響したのかなどについて解説します。
不動産国際市場の影響
2020年以降、コロナ渦の影響を受けてきた不動産市場ですが、直近の2021年第3四半期（7～9月）の各種データを確認すると、コロナ地震前の水準まで回復しています。ここでは、「グローバルマーケットレポート（2021年Q3）」に基づき、世界の不動産市場動向と注目ポイントをご紹介します。
まず、不動産取引の動向についてですが、2021年第3四半期時点の主要9カ国（米国、英国、フランス、ドイツ、日本、中国、香港、シンガポール、オーストラリア）の不動産取引額は2,343億米ドルでした。 33億米ドルとなり、前年同期比だけでなく、コロナ以前の平均値（2015年から 2019年までの5年間の第3四半期の平均値：以下「平均年」）と比較しても、前年同期比+26.6％と大幅に増加しました。
国別では、米国が前年同期比＋46.5％と最も大きく、オーストラリア、英国、中国も前年同期比＋10％以上になりました。物件タイプ別では、物流・産業施設、賃貸住宅が増加し、オフィス・商業施設が減少しました。
取引額が増加したのは、コロナ渦を契機としたライフスタイルやビジネス環境の変化に伴い、今後の不動産需要の拡大が見込まれる物件タイプに注目したためです。
物流施設はその典型的な例です。電子商取引の拡大、倉庫の自動化の進展、ラストワンマイル物流の増加などにより、物流施設の需要は世界的に拡大し続けており、空室率は低下し、比較的安定していた物流施設の賃料は上昇傾向にあります。
賃貸需要は、中期的に拡大が続くと予想されますが、新規供給の増加や市場の過熱に伴い、都市間格差が生じる可能性があります。
賃貸住宅も注目される不動産の一つです。多くの国で低金利を背景に住宅価格が上昇し、住宅取得の困難さから賃貸住宅の需要が拡大しています。
資材価格の高騰や労働力不足もあり、新規供給が需要に追いついていません。最大の市場である米国では、2020年に一時的な調整が見られたものの、近年賃料が急上昇しています。
米国、日本、ドイツを除き、大規模な賃貸住宅（法人が所有・運営する賃貸マンション）市場を持つ国は多くありません。しかし、良質な賃貸住宅に対する需要の高まりや、安定的な収益が期待できる資産特性から、世界的に投資人気が高まっており、今後、賃貸住宅開発を拡大する国が増える可能性が高いです。
一方で、オフィス分野では、予防接種制度の拡充により職場復帰が進んだものの、企業の今後のオフィス戦略の検討が本格化しており、オフィス賃貸需要が生まれにくくなっています。
こうした中、ロサンゼルス地区ではオフィス需要が増加しています。こちらの変化の背景には、自動車通勤者の割合の高さがあり、その典型的な例が、eコマースによる代替が難しい近隣の小売店です。
こちらの様に、タフな物件タイプも一様に老朽化するわけではなく、立地やタイプによる差が生まれつつあります。今後、ウイズ・コロナやコロナ後の需要の変化に対応したリノベーションや、コンバージョンによる不動産市場のさらなる活性化・発展が期待されます。
COVID-19の影響の分析
COVID-19の世界的な普及は、不動産業界に広範囲な影響を与えました。そこに住むテナントを含め、管理者やオーナーは、施設の安全性と衛生を維持するための規制の強化に対処しながら、価値の低下をいかに防ぐかに苦慮しています。
パンデミックはまた、多くの国々で旅行や観光を制限し、リゾートや関連不動産の今後の取引に対する買い手や、売り手の関心を低下させることで、観光産業にも支障をきたしています。
パンデミックは、商業用不動産業界にも大きな影響を与えました。オフィススペース、小売施設、ホテルの会場は、企業がリモートワークや社会的距離の要件に適応するにつれて問題に直面しました。オフィススペースを縮小したり、より柔軟な勤務形態を選んだ企業もあります。
ロシア・ウクライナ紛争の影響
紛争は、特に欧州の不動産市場に大きな影響を与える可能性があります。企業は地政学的な問題に対処するため、供給網や調達戦略を見直しています。
戦争は、東欧諸国にすでに存在する労働力不足にさらに拍車をかけています。その結果、サプライヤーとの関係が変化し、必要な商品の代替サプライヤーを探すようになっています。
カラニッシュ・コモディティーズのデータによりましｒたら、2022年3月にロシアがウクライナに侵攻した翌週、欧州の鉄鋼価格は22％上昇し、1トン当たり1,160ユーロになりました。
こちらは、2021年の欧州における建設ラッシュの反動で、すでに必要不可欠な建設資材の購入が困難になっていました。したがって、投入価格の上昇は、すでに限られた市場に拍車をかけています。
まとめ
不動産国際市場の影響や、COVID-19が不動産国際市場の影響にどの様に影響したのかなどについて解説しました。
不動産国際市場の影響について知りたい方は、本記事をご参考にしてください。