「不動産売買契約とは何?」
「不動産売買契約書のチェックポイントについて知りたい。」
本記事では、不動産売買契約とは何であるのかや、不動産売買契約書のチェックポイントについて解説します。
不動産売買契約とは何?
不動産売買契約とは、不動産の売主と買主の間で交わされる契約です。
不動産の売買には、多額の金銭が動きます。民法では口約束でも契約は成立するとされていますが、後々のトラブルを避けるため、不動産売買では契約書を作成し、書面として残しておくのが一般的です。
不動産売買契約書は、不動産会社に媒介を依頼する際に作成します。売主と買主の不動産会社が異なる場合は、一方が作成し、他方が確認するのが一般的です。個人間の取引では、どちらが契約書を作成するという決まりは、特にありませんので、その都度話し合って進めることになります。
不動産売買契約は、署名した時点で成立し、例外的な場合を除いて白紙に戻すことはできません。契約書の内容をしっかり把握しておかないと、後で思わぬ不利益を被ることになりかねません。
今回は、不動産売買契約書のチェックポイントをご紹介します。契約後にトラブルが発生するリスクを減らすためにも、ぜひご参考にしてください。
不動産売買契約書の10個のチェックポイント
不動産売買契約は、ほとんどの人が一生に一度あるかないかの大きな取引ですので、契約時に売買契約書を作成します。
売買契約書に不備がありましたら、後でトラブルの原因になりかもしれません。
ここでは、売買契約書を作成する際に注意すべきポイントを、チェックしていきましょう。
1. 当事者・売買物件の表示
不動産取引の基本は、当事者と対象物件です。こちらの当事者の表示に誤りがありましたら、売買契約自体の有効性が、問われることになりかねません。
当事者は氏名と住所によって特定されますが、未成年者の場合は法定代理人を、法人の場合は代表者を特定して契約書に記載します。
また、売却物件は登記事項で特定します。
2. 売却物件の面積
売却価格は、売却物件の対象面積によって決まるため、面積を正確に特定することがかなり重要です。
登記簿上の面積が確実であれば問題ありません。しかし、長年にわたって増改築が行われ、登記簿上の面積と実際の面積が異なる場合には、後々のトラブルを避けるために、実際の面積を測定して記載した方が良いです。
3. 売買代金の支払時期と方法
不動産の売買価格は、非常に高額なので、売買代金の支払い方法を事前に決めておくことが大切です。
通常、売買契約締結時に買主から売主に「手付金」というお金を買主が売主に対して支払って、売買物件の引き渡し、移転登記と同じタイミングで、残金を支払います。
手付金の交付から、不動産の引き渡し、移転の登記までの間に、「中間金」で売買代金が支払われることもあります。
4. 手付金
手付金には、以下のものが含まれます。
①契約が成立したことを示し、その証拠とする目的で交付される「証約手付」。
②手付金の額と同額または倍額の損失を被る覚悟があれば、相手方が債務不履行なしに契約を解除できるようにする目的で交付される「解約手付」(年附没収、倍返し)
③買主が債務を履行しなかった場合、または損害賠償を請求された場合に、それが没収されることを意図して交付される「違約手付」。
あらゆる手付が①の証約手付の性質を持っています。当事者間に特約がない場合は、②の解約手付と推定されることになります。
なお、③の違約手付の性質を持たせるためには、当事者の特約が必要になります。
5. 解約条項
売主または買主が契約内容に違反した場合、債務不履行を理由に契約を解除することができます。解除の要件や効果についても、契約書に記載します。
6. 抵当権に関する条項
不動産は高額であるため、買主は不動産ローンを組み、基本的には代金を分割で支払うのが一般的です。
しかし、売買契約締結後にローンが組めないことがわかったり、不動産取引に必要な十分な金額を借りられないことが、わかったりすることがあります。
そういった場合に備えて、買主が住宅ローンを組むことができない場合には、当然に売買契約を解除する旨の条項を入れておくことが必要です。
7. 所有権移転と引渡しの時期
売買契約締結後、地震や火災など何らかの理由で不動産が滅失・毀損した場合、そのリスクは所有者が負うことになります。したがって、所有権がいつ売主から買主に移転するかは非常に重要な問題です。
一般的には、買主が売主に売買代金全額を支払ったときに、所有権が移転するとされることが多いです。
8. 不動産抵当権抹消に関しての条項等
買主は通常、売買物件の全部取得を希望するため、売主は抵当権、賃借権であったり、所有権の完全な行使を妨げる権利を消滅させなければなりません。
9. 公租公課の負担
不動産には、固定資産税や都市計画税が毎年課税されます。そのため、年度の途中で売買契約を締結する時は、公租公課の負担割合を決定する必要があります。
一般的には、日割りで税額を計算し、引渡日以降に負担割合を決定します。
10.附帯設備等の引渡し
売主が、以前使用していた物件を売却する場合、エアコンなどの付帯設備の引渡しの問題が生じます。売主が物件から取り外して搬出するのか、買主に引き渡すのか、付帯設備ごとに決めておくことが大切です。
まとめ
不動産売買契約とは何であるのかや、不動産売買契約書のチェックポイントについて解説しました。不動産売買契約書のチェックポイントについて知りたい方は、本記事をご参考にしてください。